実数の捉え方 〜その1〜

高校数学と大学で習う/勉強する数学とで、大きく捉え方が異なる代表格が「実数(real number)」かなー、という気がする。

高校数学だと「中間値の定理」とか「平均値の定理」でおなじみかなァ。*1

『●●という条件下では、f(x)=0というxa\le x\le bの中で存在する』
といった形の何とも煮え切らない表現に遭遇する。そういった変数xが少なくとも1つ存在する、ということは言える、ということで、殆どの場合、その値を使って計算に繋がることは無く、証明の中でスパイスのような使われ方をする。後に「実数の連続性」というのを使わないと、こういったモノの存在を証明することはできないのだけれど、高校数学と言われる範囲では「何かそれっぽい」という点で蓋をしてしまう(笑)

一方、性懲りも無く大学にまで行って数学を勉強すると、「本当にそうなの?」といったアプローチでもう一歩だけ踏み込むことになる。「デデキントの切断」とか、「実数の連続性」とかの同値な命題をベースにして、もう少しだけね。*2

もう少し知恵がついてくると、「距離」というものを定義して有理数Qユークリッド距離による完備化として実数を捉えることができる。(もっと詳しい説明はWikipediaを参照。)

ここでふと気づいてみると、「ヘンテコな定理で登場する腑に落ちないもの」から「やっぱり(感覚的には)よく分からないけれど難しそうな方法で構成でき、それで構成されたものが今まで考えてきたことと論理的に同値」という風に実数を使う側にとっての捉え方が変化してくる。

気づいてみれば、数学の「見え方」が変わっているなぁ、ということに気づく。例えて言うなら「景色が変わった」という感じだろうか。

・・・うん、もうちょっといろいろ書きたいので、続きはまた後日〜♪

*1:もしかしたら、理系コースに行かないと習わないかも知れない。。

*2:この辺りが大学1年で習う「微積分」