マグニチュードが0.2増えるとどうなる?

先日(2011/3/11)の大地震の時、はじめは「マグニチュード8.8」と発表された後、
マグニチュード9.0」に修正されました。

その報道の際、「マグニチュードは0.2だけ増えましたが、地震のエネルギーは2倍になりました」
という表現が使われていました。
どう計算すると「マグニチュード0.2の差異が(地震の)エネルギーとして2倍異なるようになるのか」
について解説してみたいと思います。

Wikipediaによれば、地震のエネルギーEマグニチュードMの間には、
\log_{10} E=4.8+1.5M
の関係が成立していると言われます。詳しくはWikipediaのマグニ チュードのページをご参照あれ。

それで、

  1. マグニチュードが8.8の時のエネルギーがE_1
  2. マグニチュードが9.0の時のエネルギーがE_2

とすると、上の式より
\log_{10} E_1=4.8+1.5\times 8.8
\log_{10} E_2=4.8+1.5\times 9.0
が成立します。両式を引き算すれば、
\log_{10}E_2-\log_{10}E_1=1.5\times 0.2
ですね。対数の公式
\log_a(N_1)-\log_a(N_2)=\log_a\frac{N_1}{N_2}, \hspace{2} where \hspace{1} a\neq 1, N_1,N_2>0
を思い出せば、左辺=\log_{10}\frac{E_2}{E_1}
よって上の式は
\log_{10}\frac{E_2}{E_1}=0.3
対数の定義より
\frac{E_2}{E_1}=10^{0.3}\simeq 1.995
つまり
E_2\simeq 1.995\times E_1
となります。マグニチュードが8.8から9.0になった時、地震のエネルギーは1.995倍(≒2倍)となることが分かりました。

地震の「エネルギー」はジュールで測られます。「ジュール」がよくイメージできない場合は、
とりあえず、「カロリー」でもいいです。ダイエットとかでよく

1日の摂取カロリーが××○○、、、

といわれますよね。

因みに、同様な計算からマグニチュードが1.0だけ大きくなると、地震のエネルギーは10\sqrt{10}だけ大きくなることが分 かります。

上記の文脈とは全く関係ありませんが、語学マニアのために付け加えると、
名詞「magnitude:壮大さ、偉大さ」は形容詞「magnificent:壮大な、堂々とした」の派生語などがあります。
フランス語でも、形容詞「magnifique:すごい」は日常会話でもよく使われる、、、と思います(確か)w