集合論、無限、矛盾についての与太話の補足

友人うのっちと先ほどtwitter上でひょんなことからチャット状態にw

元のtwitterでのつぶやきをまとめたものはこちらから:無限、集合、矛盾についての与太話

次の3点に関して少し補足をば。

 2つの集合の「数を数える」ための道具でもある写像(map)が全単射てことの説明。
 集合A, Bに対して、写像f:A\to Bが定義されている時、全射(surjection)であるとは、

任意のb\in Bに対して、f(a)=bとなるa\in Aが存在すること

を言います。一方、f単射(injection)であるとは、

f(x)=f(y), x,y\in Aのとき、x=yであること

を言います。集合A, Bに対して「個数」の拡張「濃度」を#で表すとき、全射なら#A ≧#B、単射なら#A≦#Bが証明出来ます。両方が成立するときを全単射と言い、#A=#Bが証明出来ます。

  • バナッハ・タルスキーの定理

選択公理というのを仮定すれば、次の命題が従います。

中身の詰まった半径1の3次元の球\{ (x,y,z)\in \mathbb{R}; x^2+y^2+z^2 \lt 1\}を有限分割し、それぞれを回転と平行移動だけで、半径を2に出来る

直感に反しますが、証明できちゃうんですね〜。

正確な定式化は専門の本に任せますが、ざくっと言うと、

各袋に1つ以上のボールが入っているとする。このとき、各袋からボールが取り出されているとしてよい

という命題。「袋」が有限個の場合は自明なのですけれど、「袋の数」が無限の場合も成立するという立場が選択公理を採用するということ。
当たり前そうに見えるこの主張を仮定するだけで、先のバナッハ・タルスキーが従ってしまうんです。。。

「分かるけど、分かんない」ていうのはこういう話を言うんでしょうかw