微分方程式って言えば、高校数学じゃなかったな。

さっき書いた半減期とは?という記事で、何の断りもなく「微分方程式(differential equation)」という言葉を使ってしまいましたね。
そういや、ボクも高校生の時に微分方程式っていう言葉は知ってこそいるけど、教科書に載っていないんでした。。

あんまり杓子定規に考えても仕方ないので、(後付けではあるんですが)理屈としてスッキリするやり方で書いてみますね。
皆さんに微積分の知識はあると想定します。そのとき、指数関数の微分てのは、一般に
\frac{d}{dx}a^x=(\log_e a)e^x, a\neq 1
とします。勿論、eは自然対数です。例えば、
\frac{d}{dx}2^x=(\log 2)e^x
なんかが該当します*1。これを解釈すると、2^x微分すれば、係数\log 2はつきますが、同じ関数が現れますね。てことで、微分しても「変わらない」関数を考えてみます。つまり
\frac{d}{dx}f(x)=f(x)
というものです。微分しても全く変わらない関数。そんなもんあるんですか?という発想。1つ前の式が頭にあれば、\log_ea=1となるような定数なら良さそうです。つまり指数関数の底が自然対数というもの。これは、
\frac{d}{dx}e^x=e^x
という意味です。これ、高校数学の教科書の範囲でも載ってる範囲、、、てか、知ってなきゃいけない話ですね(笑)

で、いちいちf(x)と書くのが面倒っちいので、yと書いてみます。すると上の方程式は、
\frac{d}{dx}y=y
という方程式になりますね。これはもちろん、
\frac{dy}{dx}=y
と書くことも出来ます。この方程式からy=e^xという式を導き出すにはどうしたらいいでしょうね。この発想は、2次方程式ax^2+bx+c=0からx=...と導き出す仮定を見いだすアルゴリズムを考える、ていうことです。大概こういうのって面倒なんですけどね(笑)*2

閑話休題。ともかく関数y微分されてますから、上式の積分をせにゃ元に戻らなそうです。これまた後知恵なんですが、
\frac{d}{dx}\log z=\frac{1}{z}
ですよね。これを「形式的に変形」して
d(\log z)=\frac{dz}{z}
ですね。変数をzにすると複素関数論なんかをご存知の方から「変数を複素数に変えたんか!」とか突っ込まれそうですけど、単に新しい変数を導入したいだけです。。。これを踏まえてさっきの式を変形すると、
\frac{dy}{y}=dx
で、左辺はさっきの通り\frac{dy}{y}=d(log y)ですから、
d(\log y)=dx
です。両辺を積分すると、
\int d(\log y)=\int dx
です。微分して積分したら元に戻る、てことで、
\log y=x+C
になりますね。ここでC積分定数です。よって、
y=e^{x+C}=e^x \dot e^C
ですね。右の等号は指数法則を使いました。ちょっと「形式的」な話が腑に落ちない感じはしますが(汗)、ま、それはおいおいということで(笑)

以前、ポアンカレ予想"追跡"日記 〜多様体の定義〜にも書きましたが、高次元の図形である「多様体(manifold)」になると、こういった微分積分の話を「拡張」して「微分形式(differential form)」なんてものも登場したりします。必ずしも微分方程式を解くための道具というわけではないんですが、そもそもの意味付けを行うことと同時にこういった「形式」を覚えるのもそれなりに意義があったりもします♪

高校数学だけやってると、こういう話って分からないんですけどね。。。

*1:以下、対数の底は自然対数ね

*2:こういったものを「逆問題」と言ったりします。主に「応用数学」と言われる分野で用いられることが多いです。兎も角、「解いてナンボ」とか、そういうのに興味がある方専用、、的な用語ですね>逆問題