Dirichlet指標の定義

Nを正の整数とし、写像\chi: Z \to C

  • \chi (m+N)=\chi(m), for \forall m\in Z
  • \chi (mn)=\chi (m) \chi (n), for \forall m,\forall n\in Z
  • \chi (m) = 0 \Leftrightarrow (m,N) \ne 1

という性質を持つものをmodulo Nで定義されたDirichlet指標(Dirichlet character)と呼ぶ。

モチ、(*,*)の記号は、最大公約数を表す。
一番最初の条件から、事実上Z/NZ \to C上の写像と考えることも出来る。
二番目は「乗法性」ですな。大学1年で習う/勉強するところの「準同型写像」ですな。*1
三番目は、"マヌケな写像"を排除するための"お決まり"。(例えば、\chi(m)=0, for \forall m\in Zも一番目と二番目の条件を満たすけれども、全部0になる写像だから、後々の議論で不必要なら今のうちに抜いとけって話。(指標全体を考えるときとかね。数学の本を読むときに、三番目の式に拘ってると時間ばっかりつぶしてしまうことが多い)

Wikipedia:ディリクレ指標による説明も、念のためリンクしておこう。

*1:全く関係ないけれども「準同型定理」ていうのは、「準同型写像を使った定理」という意味だけれども主張の意味は「同型定理」。今考えても、やっぱり紛らわしいなー。因みに準同型f:G \to H, G, H: groupに対して、 Im (f)=G/ker (f)という至極シンプルな主張。線形代数で言うところの「次元定理」にも応用が効くんですよん♪